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2008年12月11日
ぬくもりの季節
人生を歩む道は、すでに決められているのかも知れない。
その間には様々な変化はあるに違いないのだが、過ぎてみると、当面した時に感ずる程のことでもない事が多い。最近私はそのようなことをつくづく思うことがある。
あの若かりし時代に魅了されたデンマークの哲人、キルケゴールの実存的思想が今行っているカウンセリング実践の中に息づいている様に感じられる。
一人一人のクライエントの心を聴く度ごとに、社会の一般通念では理解できないほど、深い個人の生きる世界に触れていく。それは、個人が現実に生きている姿と云って良いのかも知れない。
人は困難に直面する時、それを超克するために複雑な反応を示す。そして様々に工夫する。道程は長く、孤独な旅だ。吹きすさぶ木枯らしにじっと耐え、厳寒の冬の過ぎ行くのを待つばかりである。
でも、いつか春の温もりに癒される日が来るに違いない。それは自己の閉じられた懐に、そっと暖かい季節が訪れる時である。
この様な自己を解放する力は、心の奥深く浸透する他人からの理解であろう。様々な人に触れて、日々私の歴史が進んでいくのであるが、その体験が重なる度にこの事が増々確信となっていく。
人は一生を乗り越えて生きるために、心の中に秘めたる「命の宝石」に触れて欲しいものだ。その時こそ、自分を覆っていた迷いが溶解し、中から生気溢れる光が輝きはじめるであろう。 合掌
投稿者 ZEN754 : 2008年12月11日 13:32