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2006年10月22日
いじめについて
「いじめ」を「虐め」と書いている本を見かけました。
「いじめ」とひらがなで書くと、なんか子供の遊びみたいになっちゃって実態が伝わらないと前から思っていたので、この表記の方がいいかもしれないと思いました。
この「ギャク」という字、見た目にインパクトがありますし。
虐めによる子供の自殺が続いてしまいましたね。こういうことが起きると、本当にやりきれないです。
虐められている子供が周りに訴えた時に、必ずしも深刻に受け止めてもらえないケースがあるように見えます。
それに、実際に虐められている時には、自分の気持ちを満足に言葉にするような余裕はありません。
虐めの実態が、そもそもよくわからない、という親御さんもいると思います。
テレビで「金銭の強要、暴力等は見られず・・・・・・」なんて言っているのを聞くと、虐めってそういう問題じゃないのにな、と思ってしまう。
まず、「虐め」ってなんなんでしょうか。
個人的には、「他人の人権を踏みにじること」つまり差別と同じものだと思っています。相手を人間扱いしない。人格を傷つける。
差別とか、そういうもののことを考えるのは正直怖いですが、人間にはそういう、人を差別する心もあるんですよね。だからこそ、差別は認めちゃいけないってことになっているはずです。
虐めも同じじゃないでしょうか。
例えが悪過ぎるけれど、痴漢行為が許せないのは、単に生理的嫌悪を与えるから、ってことではないですよね。自分と同じ人間であるはずの相手を、ただの性的なモノとして見なすから。相手の「人格」を無視した行為だから。
それってものすごく悔しいことだってわかるはず。
「ちょっとさわっただけ」とかそういう問題じゃないんですよね。
「虐め」をお金を取ったり、暴力を振るったりすることだけだと思っている人は、逆を言えば言葉や態度だけで人を殺せるはずはないと思っているのでしょうか。
人間扱いされないこと。「不幸になっちまえばいい」「死んだっていい」と悪意をぶつけられることの恐ろしさを知らないということなのでしょうか。
ふと思い出したのは、最近読んだマンガです。「ヒロシマ」のことを扱った本です。
原爆の恐ろしさ。大勢の人を殺し、街を破壊したこと。
その時、爆弾を落とした時、下にいる人達のことを人間だと思っていなかったこと。
「相手を人間だと思わない」心は、突きつめれば人種差別や戦争にまでいってしまう。
「虐め」に深刻とか、深刻でないとかないんですよね。「虐め」そのものが問題なので。そういう認識をしていかなきゃいけないんだよな、と思いました。
投稿者 YUKI : 2006年10月22日 09:28